貴社の採用コストは年間どれくらいかかっていますか?
株式会社リクルートの就職みらい研究所が発表した就職白書2020では、新卒1人あたりの平均採用コストは93万円、中途採用には103万円となっています。
令和4年3月に厚労省が発表した採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書では、民間職業紹介事業者(紹介会社)を利用する場合、正社員1人あたりの採用コストは85.1万円です。
コロナ禍以降、人手不足が社会的な問題となっていますが、物価上昇による賃上げなどの影響もあり、採用コストは今後も増加していくことが予想されます。
求人にかかるコストを抑えつつ、効果的な募集はできないだろうか……
このようなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、自社で求人サイトを作成・運用することです。
本記事では、WordPressで求人サイトを作るおすすめの理由とポイントについて解説します。ぜひ参考にしてください。
前提:求人サイトとは
求人サイトとは、企業が求人広告を掲載し、求職者がそれを閲覧・応募する仕組みを提供するWebサービスです。多くの場合、求職者は無料で閲覧・応募ができるため、一般的に応募数が多く集まる傾向があります。
種類としては、ホームページのように自社で運営するタイプの独立型、リクルートやマイナビなどの企業が運営するポータルサイト型、indeedのように複数の求人サイトの情報を集めて表示する求人情報検索エンジン型があります。今回は自社で作成・運営する求人サイトについて解説していきます。
WordPressでオリジナルの求人サイトを作成することをおすすめする理由
- コストパフォーマンスが高い
- さまざまな求人サービスと自動連携できる
- 自社の魅力を伝えられる
ひとつずつ詳しく解説します。
コストパフォーマンスが高い
1つ目の理由はコストパフォーマンスが高いことです。
下記の画像は転職サイトの最大手「リクナビNEXT」の料金表です。
リクナビNEXTの掲載料は、関東の場合(回数券なし)で最安で18万円〜となっています。最安のN1プランではサイト内で表示される位置が一番下で、掲載できる情報量も少なく、応募が来にくい条件です。
リクナビNEXT料金表(引用:リクルート人材紹介ナビ)
過去にリクナビNEXTに登録して転職活動を行ったことがある私自身の意見としては、企業が採用獲得を目指すとなると44万円〜のN3プランは必要でしょう。
これだけ費用をかけても応募が来る保証はないですし、掲載期間が終わればそれまでです。
自社製求人サイトの場合、仮に構築に100万円かかったとしても、正社員を2名採用できれば十分元が取れる計算です。しかも自社で構築したサイトは継続して使用できます。
構築費として初期費用はかかりますが、 長期的に見れば大幅なコスト削減につながる、コストパフォーマンスの高い施策といえます。
さまざまな求人サービスと自動連携できる
自社サイトといってもそもそもみてもらえないんじゃ…なんて不安もありますよね。もちろん多くの方にみてもらうための努力は必要です。
しかし、掲載場所は自社サイトだけに限られるわけではありません。自社サイトに掲載した求人情報は、下記のような求人サイトにも掲載できます。
自社サイトに登録した求人ページの情報を、indeedやGoogle仕事検索などの各サービスの独自クローラーが収集し、求人情報が掲載される仕組みです。
複数サービスにまたがって掲載することで、応募の間口を広げることができますし、各サービスに登録する手間も省けて、一石二鳥です。
スタンバイは無料では掲載できないなど、サービスごとに掲載するための要件があります。
あらかじめ掲載したいサービスの要件を確認するようにしてください。
自社の魅力を伝えられる
自社サイトとして構築すれば、デザインはもちろん、掲載する内容やページ数など自由に決められます。プラットフォーム側に定められた掲載ボリュームや制限など気にせず、企業理念や働く環境、社員インタビューなど、自社の魅力をアピールできます。
求人ページについても、募集職種や勤務地など、条件ごとに異なる複数の求人を掲載できます。
また企業情報や事業内容、業務内容や求める人物像など、詳細な情報を掲載することで、企業と求職者のミスマッチを防ぐことにもつながります。
WordPressで求人サイトを作成するデメリット
自社で求人サイトを運営することにはデメリットもあります。今回は費用以外の観点でデメリットをピックアップしました。
- 運用・更新の手間がかかる
- サイト保守の手間がかかる
ここではデメリットとして考えられる2点について解説します。
運用・更新の手間がかかる
自社で求人サイトを運用する場合、掲載情報の更新や管理などの手間がかかります。
具体的な作業内容としては、
- 募集を締め切った求人の削除
- 新しい求人の登録・公開
応募受付を締め切った求人情報が掲載されたままになっていたり、古い情報がそのままになっていたりすると、トラブルに繋がる可能性があります。そのようなことが起こらないように、掲載している求人内容や応募状況を把握し、募集状況に合わせてこまめに求人情報の更新を行う必要があります。
サイト保守の手間がかかる
WordPressは、セキュリティ対策やバージョンアップなどのサイト保守が必要です。
WordPressやプラグインは定期的にバージョンアップが必要で、その度に更新作業や互換性の確認が発生します。 これらの作業を怠ると、セキュリティリスクが高まったり、サイトに不具合が生じるなどの可能性があります。
サイト保守の手間については、求人サイトだからというものではありませんが、WordPressで運用する限りは必ずついて回る問題です。
求人サイトを作る際のポイント
ポータルサイト型の求人サイトに掲載するのであれば、その会社の担当者からアドバイスなどもらえるかもしれませんが、自社で運用となるとそうはいきません。自身で考え、掲載する必要があります。
ここでは求人サイト、求人ページを際のポイント3選を解説します。
来てほしい人物像をイメージしよう
まずどのような人材を求めているのかを明確しましょう。年齢、スキル、経験、働き方の志向など、ペルソナといわれるような具体的な人物像をイメージすることで、掲載するべき内容や掲載の表現などの方向性がさだまり、求職者により響きやすいサイト、ページを作ることができます。
もし対象を明確にすることで、応募数が少なくなるようであれば、そこからひろげていけばいいだけです。最初から広げすぎて、イメージする人物と異なる応募があっても、おたがいにとって時間のムダとなってしまいます。
企業理念や事業内容がわかるようにしよう
企業理念や事業内容をわかりやすく伝えるページを設けることが重要です。
求職者としては、事前に詳細な企業情報を把握することで、どのような企業かをイメージすることができ、安心して応募できます。
企業としては、どのような理念で、何を目指して、どのような価値を提供しているかを明確に伝えることで、一貫性や誠実さをアピールでき、信頼感を高めることができます。また企業理念や事業内容を理解し、共感してくれた求職者は、自社にマッチする可能性が高く、採用後の定着率向上にも期待できます。
企業情報を掲載することは大きなメリットがありますので、ぜひ掲載しましょう。具体的には下記のような内容を掲載することをおすすめします。
- 企業のミッション・ビジョン・バリューをわかりやすく伝える
- 事業内容やプロジェクトの具体例を紹介する
- 企業の雰囲気や人間関係、従業員の人柄など、内部情報をイメージできる情報を掲載する
ミッション(企業の存在意義)、ビジョン(中長期的な目標)、バリュー(目標を達成するための基本理念や行動基準)を表現したものです。
職種の詳細やキャリアプランをわかるようにしよう
求職サイトを訪れる人は、
- 「この仕事は、具体的にどんなことをするんだろう?」
- 「自分に向いている仕事だろうか?」
- 「この会社で、自分は成長できるか?」
といった疑問を抱えています。
そのため「どんな仕事なのか」「将来はどうなれるのか」が具体的にわかることが大切です。
まず仕事内容について詳しく説明しましょう。 仕事内容、担当範囲、日常的なタスク、必要なスキルや資格などです。応募者は、自分が実際に働く姿をイメージしやすくなります。
教育制度やキャリアプランについても掲載することをおすすめします。入社後の研修制度や評価制度、昇進の可能性、スキルアップのための研修制度や資格取得支援などです。応募者は「ここでなら成長できる!」と感じ、長く働きたいと思うでしょう。
さらに、それぞれのポジションの役割やチームワークについても掲載すると効果的です。チームでの役割分担や一緒に働く職員の人柄など、入社後の環境・働き方を具体的に示すことで、応募者は安心して働く姿をイメージできるでしょう。
これらの情報もミスマッチを防ぐ、定着率の向上に役立ちます。
求人サイトのおすすめコンテンツ
企業の魅力を、求職者により伝えるための、おすすめのコンテンツをご紹介します。
先輩の声
求職者にとって、職場の雰囲気や仕事内容を知る上で、実際に働いている人の声は非常に参考になります。 社員インタビューを通して、会社の雰囲気や仕事内容、やりがいなどを具体的に伝えましょう。
制作時のポイント
- 社員の写真を掲載し、親近感を与える
- 入社理由や仕事内容、やりがいなどを具体的に語る
- 仕事の面白さだけでなく、大変な部分も正直に伝える
キャリアプラン
将来のキャリアパスが見えないと、求職者は不安を感じてしまいます。 キャリアプランを明確に示し、入社後のキャリア形成のイメージを具体的に伝えることで、安心して応募してもらえるようにしましょう。
制作時のポイント
- 入社後のキャリアステップを具体的に示す
- スキルアップやキャリアアップの機会について説明する
- キャリアプランの事例を紹介する
教育や福利厚生などの制度説明
充実した教育制度や福利厚生は、求職者にとって大きな魅力です。 自社の制度を分かりやすく説明し、働きやすい環境であることをアピールしましょう。
制作時のポイント
- 教育制度の内容、研修制度の有無、資格取得支援制度などを詳しく説明する
- 福利厚生、休暇制度、社内イベントなど、働きやすい環境づくりへの取り組みについて紹介する
- 社員食堂、託児所など、独自の制度があれば積極的にアピールする
選考フロー
選考フローが不明瞭だと、応募者は不安を感じ、応募をためらってしまう可能性があります。 選考プロセスを明確に示すことで、応募者にとって分かりやすく、スムーズな選考を実現しましょう。
ポイント
- 選考の流れ(書類選考、面接、筆記試験など)を分かりやすく説明する
- 各選考ステップにかかる期間を明記する
- 面接回数や内容について具体的に説明する
まとめ
求人サイトを自社で作成・運用するメリットとポイントについて解説しました。
- コストパフォーマンスが高い
- さまざまな求人サービスと自動連携できる
- 自社の魅力を伝えられる
採用コストが高くなっている現在、自社で求人サイトを構築するメリットはおおきいです。一度構築してしまえば長く使用できる点もあり、おすすめの施策です。
とはいえ、運用・管理などのデメリットもありますので、自社の状況にあわせて最適な手段を選択するための参考となれば幸いです。
hw-createではWordPressでの求人サイト構築も承っております。自社に適しているのか、運用はできるかなど、気になる点がある場合には、無料相談をおこなっておりますので、下記リンクよりお気軽にご相談ください。